おもてなしの程度


うちのボドゲ会は半クローズドな環境です。基本は仲間内での開催で、広く告知する事はありません。が、ゲストを連れてくるのは歓迎。ゲストが居る場合は自己紹介の時間をとったり、お茶の時間を設けてゲスト中心で会話するように心がけてます。
誰でも「ゲストに心地良く過ごしてもらいたい」と思いますよね。

しかし以前「ゲストにどこまでおもてなしを意識すべきか」という議題で白熱?した事があります。その時の話と、私の考えるおもてなしの意識について。ちょっとだけ前回の話題ともリンク。

事例 −個人に任せる?ルール化する?

急遽5人のゲストを迎える事になって、あたふたしたゲーム会でした。打ち上げの時に女性のゲストさんがぽろっと「実は、トイレに行くタイミングが分からなくてずっと我慢してたの。」と言っていたのです。この発言をどうとるか、2つの意見が出ました。

  • ゲストが多い時は、タイムテーブルをちゃんと決めよう。必要なら進行役をたてよう。予定が分かった方が安心だよね。
  • 大人なんだからトイレ行きたいくらい言えるでしょ。気を使いすぎて「主催者がゲストを接待する」という形式になるのは嫌。


私は「タイムテーブル決めよう派」でした。先の発言を聞いた時も、「初参加の女性なら言い出し難いだろう、もっと気を配るべきだった。」「ソワソワしてる素振りとか、経過時間とか、なんで気づかなかったんだー。」と反省しきり。なので「行きたくなったら行くしかないじゃん。」「ゲームの初心者ではあっても、子供じゃないでしょ?」という意見は新鮮でした。

普段の行動を見れば全員が、普通に「一緒に遊ぶ人に気遣うのは当然」という意識はあるのでしょう。ただ、それを考える程度が違うのかなと思います。「大人なんだから」という言葉には、相手に対する信頼も感じられますが、置かれた状況の違いを考えない粗雑さも感じられます。

おもてなしする人・される人?

私が特に気になったのは「気を使いすぎて『主催者がゲストを接待する』という形式になるのは嫌」という意見です。


「気を使う事によって、常連=主催化する」というのになんとなく違和感を感じました。普通のお店やイベントなら、金銭を払う事によって、主催とお客様の区別がはっきりします。お客様は主催に対して、金銭に見合うおもてなしを期待して当然です。でもうちのボドゲ会では、経費は折半、責任者も特に決めていないし、そういった区別はありません。初参加者に対しておもてなしするのは常連側、という事になるのでしょうが、しかし常連と主催はイコールにならないと思います。

そして、「主催」と「お客様」の区別が無いコミュニティなら、個人が全員に対しておもてなしの意識を持つべきだと思います。初参加の人に対して、初参加時に困りそうな事を配慮するだけではなく・・・。常連同士でも様々な人がいます。参加回数の違いや、ゲーム経験の違い、年齢や性別の違いなど。それぞれに対して、困ってしまいそうな事には配慮したいと、私は思います。

さらに、責任者のいない会で一定の質を保つならルール化した方が良いと思うわけです。(ルールを作りすぎて窮屈になるのは本末転倒ですが。)現に、初参加の人に対しての「自己紹介」や「お茶会」、非喫煙者に対しての「室内禁煙」、未成年者に対しての「開催時間を1時間繰り上げ」、というルールも作ってきました。


うーん、タイムスケジュール作って予定を告げるのは、過剰な気遣いでもないし良いと思うんだけど。まあ今のところ、ゲストが大量に来る予定は無いので保留中。

おもてなしは、決して「他人の為」ではない

私は「自分ができる『おもてなし』があるなら全力で」と思ってしまいます。上記の議論中にも、「knsrは考えすぎ」っと言われましたが。これは何も「他人の為」という考えからくるものではなく、自分が楽しみたいという考えを推し進めると自然とそうなってしまうんです。だって、誰かの我慢の上でしか成立しない関係なんて、すぐに壊れてしまいます。自分が長く良い環境で楽しむためには、自分以外の人の満足が必須になります。

遊ぶ面子を増やしたい、市場を拡大したいと思うなら、初参加者の満足度にこだわるのは当然。初参加の人にとっては、このボドゲ会に参加する事が下手するとボードゲームに関わる「最初で最後の1回」になるかもしれないわけです。そして、恐らく「このボドゲ会=ボードゲーム全般の印象」になってしまう。そこで何か不満があった場合、文句言ってくれる人はフォローのしようがあるけど、多くは無言で去って二度と関わらないのだろうと・・・。
だから、参加者の表情や態度はどうか、1人になっている人はいないか、何かサインは無いか目配りをしたい。せっかく言ってくれた不満は次回には確実に潰したい。と思います。


不満を潰す以外に「楽しい」の天井を上げるのも良い方法ですが、毎回狙って確実にできるわけじゃないのがネック。または、個人でその条件が違いすぎる事もあるかなあ。不満に関しては、(経験則ですが)そこまで個人に依存する事はないと思います。ならば、不満を潰す=全体の質をあげる事によって、結果的に天井も上げていく方が有効かなと思うわけです。


ただ「不満」って、発見しようと意識いないと見つからないものなので難しいですけどね・・・。