シナリオパーツ集め−『ストロベリーナイト(ネタバレ注意)』

小説を読んだ後、つい”シナリオ転用”を考えるのはTRPGプレイヤーの宿命でしょうか。多分きっとそう。自分に合う / 合わないに関わらず、小説を使い倒せるTRPG者は幸せだと思います。それで読後に、ストーリーラインや使えそうなパーツを書き付けたりしてるんですが・・・書き付けた紙をどっかにやってしまう事が多くて泣けるので、そろそろブログにメモるようにしようかなと思いました。


で、今回読んだのは『ストロベリーナイト』です。とあるブログで簡単な書評を見ていたのと、帯のキャッチコピーに惹かれて購入。ただ、えらい陰惨な内容なので、ちょっといじったくらいでシナリオに使うのは無理、かたつむり。パーツを抽出 →適当に別のパーツとくっつけるか、膨らませて使う感じで。

ストロベリーナイト (光文社文庫)
誉田 哲也
光文社
売り上げランキング: 47048
おすすめ度の平均: 3.5
4 今後への期待も込めて...でも
4 最高のエンタメ警察小説
4 今後のシリーズに期待
2 キャラに魅力を感じませんでした
4 軽い.漫画チック.でも面白ければそれでいい

事件の概要

黒幕チームと実行犯による犯行。実行犯は、両親に虐待され両親を殺した過去を持つ。人を殺すことや自分が傷つくことに鈍感なまま成長する。逆に、黒幕チームは将来を約束されたエリート学生。黒幕チームは実行犯を利用して殺人ショーを開催する事を思いつく。

捜査の進行

  1. 民家の密集する交差点から死体Aが発見された。
  2. <推理>主人公の推理→さらに近くの池から死体Bが発見された。
  3. <聞き込み>刑事αは、死体Aの関係者A'から「ストロベリーナイト」ウェブサイト・殺人ショーのキーワードを得る
  4. <聞き込み>刑事βは、死体Bの関係者B'に面会しようと精神科に行くが医者に拒否される
  5. <情報屋>刑事αの違法捜査、ストロベリーナイトの参加者を調査
  6. 1&2とは離れた場所から、死体が9体発見される
  7. 刑事αの殉職、刑事βはαの単独行動を探る→情報屋を特定
  8. <情報屋>刑事βの違法捜査、5の内容ゲット「A'=参加者」
  9. <情報屋>情報屋は刑事βに警告「手を引け」、刑事Bは黒幕について追加調査を依頼
  10. <聞き込み>刑事βはA'を尋問し、ストロベリーナイトの内容を知る
  11. B'が病院から失踪
  12. <聞き込み>刑事βは医者を尋問し、B'=実行犯と確信する
  13. <情報屋>刑事βは黒幕を知る
  14. <推理>主人公の推理→黒幕ボス+実行犯vs主人公。→黒幕ボスと実行犯が仲間割れ、刑事βが主人公を救出

パーツ集め

  • 警察捜査チーム内の派閥争い : 手柄を自分のものにする為に、情報を隠蔽する / 関係者を断りなく連れ出す / わざとペアを撒いて単独行動など。NPC多くなるからサブマス居ないと辛そうだけど、情報収集のカンフルとしては面白いかも。
    • ライバルNPCがいる (情報収集=交渉が必要になる)
    • 情報が時間の経過と共に消えていく (判定が厳しくなる)
    • 敵の証拠隠滅の工作 (判定の競争)とか。
  • 実行犯と黒幕 : 情報収集が2段階、あるいは2つのルートから。黒幕はPCと同じ組織の上司とかで。
    • FEAR系でやるなら、PCと実行犯を学生時代のクラスメイトにしてOPフェイズでフラグ →PCの反応次第で、ラスト戦闘における実行犯の行動を変えても良いかな。
    • (むしろFEAR系なら、実行犯ゲストを複数とかじゃないと戦力がアレだ・・・。)
  • 仲間割れ : 実行犯は「殺せば中身はみんな自分と同じ」、黒幕は「自分は殺される奴とは違う」の見解の相違で仲間割れ。
    • 立場の違う犯人チーム
    • (あんまり敵NPCを演出しすぎるとPC達がかすむので程ほどに)
  • 情報屋への支払い : 刑事αが値切って、刑事βは裏金で支払っていた、その対比が面白い。ついでに刑事βの、裏金は捜査にしか使わないとこも良い。
    • 相対するPCによって、NPCが金額を変える、条件を変える。
  • 刑事の殉職 : 生前の行動を追って情報屋を特定ってのが、盛り上げ+キー情報渡せる、で良い感じ。
  • 殺人ショー : 生贄を、参加者の中からランダムで選抜ってのがすごい(入り口から客席までの通路で選別)。ウェブサイトで検索 →y/n選択 →招待状が届く。招待状には詳細な個人情報が同封され参加者にプレッシャー。
    • 犯人はもちろん、参加者もくるっとるキャラクターになりそうで、使えそうで使えない。
    • マスターシーンとかで、演出として挟むにはインパクトあるかも。