『古代ローマ帝国の遺産』展行ってきたよ ―『ローマ人の物語』文章を満喫


ポスターに使われてるのは「豹を抱くディオニュソス」像。


国立西洋美術館で開催されてる『古代ローマ帝国の遺産』展に行ってきたのですよ。もーこれすごく楽しみにしてたので、前日は遠足前の小学生でした。なぜって、今年に入ってから『ローマ人の物語』をぼちぼち、みそさんから借りて読んでるからであります・・・。私みたいな人は結構いるのに違いない。

ちなみに、展覧会公式ホームページがわりと頑張ってて、ここ見てるだけでも楽しいです。で、実はここに「ポンペイの〜」って書いてたから、私は前日に『ローマ人の物語8 危機と克服』(ヴェスヴィオ火山噴火を実況した手紙の引用が掲載)を復習して行ったんですが、そんな事はなかったのでした。あれー・・・。

時代は帝政開始〜五賢帝の前あたり? でも主にアウグストゥス。なので復習するなら6巻のパクス・ロマーナですなあ。 貨幣の展示説明に、ちょろっとネロやヴェスパシアヌスの名前が出てくるくらいで、カエサルが全く出てこないのも意外な・・・。まあ、皇帝関連の展示物そのものが多くなかったので。

展示されてるのは、彫像、フレスコ画、貨幣、装飾品、生活用品(食器やランプ、秤、水道管など)など、それから映像展示もありました。貴族の家の復元図なんかを解説してくれてます。ちょっと長め。・・・とまあ、結構バラエティに富んだ展示内容でした。バラエティに富みすぎててアレな感じもしますが、面白いよ!


良かった展示をいくつか。

  • エウマキアの像 : 彫像はどの展示も「おゎー!」って感じです。その中で、私は特に『エウマキアの像』がお気に入りでした。女性が薄い服を着てる像なんですが、布の表現もさることながら、体の柔らかさとかラインがすごく上手く表現されてて艶かしかったです。ちゃんとおへその場所が分かって、腰の位置や膝までのラインが想像できちゃう。
  • アグリッパの胸像 : アグリッパはえらい子。もやしっ子のアウグストゥスのために、軍事を担当した縁の下の力持ちさん。隣の隣にある、アウグストゥスのでっかい座像と比べてえらいちっこい胸像での展示という。泣ける話やね。
  • 金貨いろいろ : 色んな時代の金貨が展示されてました。文庫版『ローマ人の物語』の表紙でお馴染みですが、思ってたよりちっちゃいんだなーと思いました。近づいて目を細めないと文字とか見えないよってくらい。もちろん舐めるように見てきたわけです。
  • 種の生活用品 : 銀食器とか意匠の施されたランプ、秤、水道管の部品とか。あ、鉛の食器もあったのかな。そこらへんの生活用品の展示も面白かったです。特に水道関係は、インフラが充実してたのは文章で読んでましたが、水道「管」を作ってたんだなーってのが実感できて面白かったです。


あと、展示に直接関係ないけど

  • ついでに常設展も見てきた : 学生時代、クロード・モネの模写とかやってたのです。常設展でモネ絵が展示されてるのでそっちも見てきました。やっぱモネいいー。絵の具の色の、重なりを見てるだけで惹き込まれます。
  • お土産は絵はがきを2枚 : 芸術関係の展覧会に行ったあとは、絵はがきを買って適当な人に送り付けてます。家族とか友達とか。近頃はなかなか手書きで郵便出す機会もないので、結構喜ばれたりします。久しぶりに電話かかってきたりとかー。展覧会行くのが好きな人にはちょうおすすめ。


そんなわけで、良いタイミング(本読んでる最中)に『古代ローマの遺産』展に行けて私は幸せ者であります。文章で読んだ内容を、実物を見られたり実感できたりですごく面白かったですー。


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