2冊読む幸せ

つい最近、同じテーマの本は2冊連続で読むのがイイという事に気付きました。ので、何がイイか書こうと思います。
2冊読むから、(1)そのテーマにどっぷり浸れます。だいたい1週間くらいはそのテーマを考えまくります。良い本だと、通勤時間の歩いてる時にフレーズが蘇ったり、うっかり考え始めたり、何度も同じ個所を見直したりしたくなります。おまけに、(2)違いがよく分かります。

今回私は、加藤典洋『言語表現法講義』と高橋源一郎『13日間で「名文」を書けるようになる方法』を読みました。この2冊は、明治学院大の「言語表現法」という講義を収録したもの。一応順番を言うと加藤氏が先、後任が高橋氏です。同じ学校の同じ講義ですが、内容は同じじゃありません。

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)
加藤 典洋
岩波書店
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加藤氏は学生の書いた文章について必ず評点をつけます。高橋氏はつけない。代わりに授業中にどんどん皆の前で読んでもらいます。どこかにきっと「真の美しさ」というものがあり、それを求めて試行錯誤する事が書くことのモチベーションたる事を説明する加藤氏と、自分に問い自分を知りそれを素直に表現する事を良しとし、学生の良さをどんどん引き出そうとする高橋氏のスタイルと。

その他、学生の文章を引用する量や、学生と先生との対話量、文法(や文章表現に関する技法)用語の使われる頻度、などなどの違いが良く分かります。多分、一冊だけ読んでても、2人の先生とそれぞれの授業の良さに、こんなに気付かなかっただろうなーと思います。

とまあ、2冊を一緒に読むと読後の感想が量・質ともに確実に上がります。上がるような気がするので、今後は2冊セットで1サイクル的な心意気で読もうと思いました。

なんで2冊かというと私の読書環境が

とか言って、ビジネス書とかでも「ある分野の本を30冊読めばそれなりに一通り知識がつく」とか、「本棚に資料が溜まれば単行本が一冊書ける」というのを見た事があるので、「同じテーマで複数の本を読む」は既に実践してる人もいるかなーと思います。で、私の場合はなんで2冊かというと読書するのに専ら図書館を利用しているからです。1週間に2冊借りるサイクルが丁度よろしいです。(たまーに1週間に2回通って4冊なったりしますが)

それなりに内容のある本を、手元に置いて読み返したり比較しようとすると、単純な冊数が一番です。2冊を比較するのと3冊を比較するのとではまたコレ大変さが違うので。・・・わりと単純な理由でした!