TRPGの演出、とりわけ描写について「準備内容」と「使い方」を考える

先月『ゴーストハンターTRPG』をやってましたが、ホラーTRPGってやっぱり難しいなー演出がネックだよなーと思いました。演出は苦手です。でも苦手なものって定期的に克服する気が起きませんか。私は起きます。納豆食べてみたりとか。で、やる気のあるうちに対策を考えてメモしておきます。書いてるうちに「あれ、これ普通じゃね?」って気になってきましたが、それはそれだけ身に着いてないって事でしょうからやっぱりメモしておきます。ちくしょうちくしょう。

「ホラーTRPG」の難しさ、演出は大事だよー

ホラーTRPGって難しいです。だって「ホラー」というからには怖くないといけないんですが・・・TRPGは普通5〜6人でプレイするわけで・・・なんかもうこれだけで「不安感」や「恐怖感」から遠のいちゃうんですねー。仲間がいるって心強いね(´・ω・`) なので、ホラーTRPGを遊ぶ時には「演出」とか「雰囲気づくり」が生命線になります。

でもこの「演出」が私は苦手です。演出=「効果的に表現する」「盛り上げる」くらいの定義で考えるとして、その苦手理由を挙げてくと

  • なんか気恥ずかしい。特にマスターやる時は、普通のお喋りと説明と演出と、どう切り替えてるの。
  • 「何について」「どんなものを」「どのくらい」用意しようかよう分からん。マスターやる時はNPCについて、プレイヤーやる時は自分のキャラクターについて、とは思うけど。それ以外となると、設定って数が多いと忘れてまうし、長々喋ってるとプレイ中断させそうだし、かといって全然ないとモブと変わらんしー
  • タイミングとか。「ここ!」っていうのがあんまりよう分からんので。

なんかつまり、演出苦手をもちょっと詳しく言うと「描写」が苦手っぽいです。今まで、自分の演出苦手をサポートするために小道具類*1をせっせと作ってたんですが、なんか方向が違ってたかも。

TRPGでの「描写」の機能、プレイ中に随時調整する

もちろん小道具類だって演出の一助ではあるんですが。描写の一番重要な機能って、プレイ中の雰囲気を「随時」調整するところにあるんだろうなと思いました。小道具類だと、プレイ中に状況見ながら変化させていく事とかできないので、描写苦手の代替には成りえないですね。

というわけで、代替手段を考える方向は捨てて、真っ向から何か対策を考えてみます。

「描写」を事前に用意する

事前に用意するには、「何について」「どんなものを」「どのくらい」の把握が必要です。プレイヤーの場合は、コントロールするのは自分のキャラクターだけなので、その分だけ用意すれば良いんでしょう。マスターの場合が面倒。NPCと場所や建物?についてとか、なんか色々ありそうだし。

以下、主に読書してて思いついた対策です。

キャラクター描写はキーワードと行動で

ここでは「TRPGでの描写=雰囲気の調整」という視点で進めてるので、「長くじっくり×1回」ではなく、「短く×たくさん」の方が良いんでないかと。その場合、小出しに「実はこうでした―!」とかやると統一感のない、つまり演出としてはわりと失敗気味になりそうなので、何かキーワードを決めて繰り返す方向で。

  • 描写のバリエーション: キーワードを決めるとしても、1単語を連呼するとか政治家じゃないんだから風になってまうので、描写のバリエーションは欲しいすね。行動宣言の前後で「普段はxxという行動をしているが、今はyyという行動宣言をする」的な行動での描写とか、他のキャラクターの行動に対して何かコメントするとか。うーん、他に何があるかなー。
  • ついでの発言: 何かのついでに「描写も」発言するのが良いと思います。プレイに必要な発言+短フレーバーの構成と決めてしまえば「いつ?」に悩まなくてよいかも。
  • 統一感: 「統一感」は大事ですが、最初から最後まで一緒でなければならない!とは思いません。重要なのは「他の人が変化を理解できる、整合性がある」事かと。だから、調査の途中で1回だけ信条を変化させる位は逆に盛り上がって良いだろうと思います。もちろん変化を印象的にするために、前・後でマメに描写があれば尚良しでしょう。
重要な場面転換に、ちょっと長めの情景描写を入れてみる

TRPGでの情景描写は、小説の情景描写とちょっと違うもんだと思います。参考にする時には注意が必要。例えば小説だと、「キャラクターの心情を表現するための」情景描写が結構あるんですが、そういうのはTRPGではどうかなー難しそうーと思います。(使いこなせるなら、シーン制のゲームプレイ中に、重要なシーンでシーンプレイヤーが・・・とか?)
まあ、よくある状況を考えてみると、主にマスターからの「ここから展開が変わるよ!」のお知らせとか、新しい場所や人のお知らせ、あとクライマックスだとカタルシスのため、とかそんな感じでしょか。

  • 情景描写が必要なのは: よく「クライマックスの情景(だけじゃないけど)描写をたっぷり!」てあるんですが、上記の意味で考えると調査中の描写も大事な気がします。「そうそう、重要なステップをクリアしたんだよーここから展開が変わるよー」的な感じというか。
  • あくまで重要な転換点で: 毎回いれると陳腐になっちゃって「ここが重要なとこ!」のお知らせ機能が低下しそう。あとウザそう。なんか雰囲気違うぞ、と察してもらうためには、回数を絞った方が良いと思います。そんで、「あれ何か重要なこと喋ってる?」って皆が注目するまでちょっと長めに(1〜2分くらい)喋ると良いと思います。
  • 短い情景描写に意味があるかどうか?: キャラクターと同じく、例えば、場所が切り替わった時に短く描写を入れていくという手法はどうでしょう。私としては「どっちでもええかなー」です。普通に口で説明した方がテンポ良いと思えば、描写はしないと思います。
まとめ
  • 事前に用意しておくもの
    • キャラクターについては、キーワードを決めておく。キーワードに沿って日常生活の行動、任務や事件以外の時に何をしてるのか、などをいくつか考えておくと、シナリオでのイベント感が描写できるかも。
    • (主にマスターが)シナリオの転換点を理解してもらうために、その重要地の情景描写を用意しておく。
    • (主にマスターが)クライマックスのカタルシスを感じてもらうために、決戦地やラスボスに関する描写を用意しておく。
  • プレイ中の使い方
    • キャラクター描写は、行動宣言や他キャラクターへのリアクションなど、何かのついでに「短く×回数たくさん」出していく。
    • 変化する事で印象的なキャラクターを演出することができるけど、整合性がないと結局「?」で終わる。
    • (主にマスターが)調査中の情景描写は、皆が「お?」と思って注目するまで、ちょーっと長めに喋る。
    • (主にマスターが)クライマックスの情景描写は、冥土の土産パック含め、皆が「なるほど」「ですよね」と満足する内容を喋る。(結果的に長く喋ることになる事もある)


机上の空論ひとまず終わり。あとは実プレイで試して修正したりなんだり。と、喋り方ですなあ。落語の枕〜噺へのつなぎとか動画みてみようかな。そしたら柳家小三治は参考にできないなあ(笑)*2

*1:手作りハンドアウトとか、ビジュアル資料の用意

*2:枕だけで噺をしないで終わったというエピソードの持ち主